なんだかkuroい人の為の備忘録

覚える前に忘れてしまうヲサーンの為の、備忘録的さむしんぐ。お金の話が多め

そんな60年償還ルールで大丈夫か?

与太話をしていないにも関わらず無駄に長くなってしまう今日この頃皆様いかがお過ごしでしょうか、こんちくわ。

 

さて、

 昨日”不安を煽るだけの簡単なお仕事”がど~の…とか書きましたが、早速典型例と言わんばかりの香ばしい例を見つけたので今日はそちらを。

gendai.media

最近の経済絡みの記事はタイトルに”本当の理由”って入れるのが流行っている様で、債券の如く真実の投げ売りも止まりません。

真実はいつも一つであって欲しいモノです。

 

随分長々と書かれていますが論点はたった一つ。

「利上げをすると利払いで倒れちゃうから日銀は利上げが出来ないんだ」

って事を「私は隠された真実を知っているっ」と言わんばかりに力説していらっしゃいます。

 

面白い記述があったので引用してみましょう。

中央銀行が毎年の業務運営を行って剰余金が発生すれば、国庫に納付するのが当然で、日銀ばかりでなく、どこの国の中央銀行もそうしています。それとは逆に、中央銀行が赤字に転落したり、赤字が続いて債務超過状態に陥り、それが長期化して自力で収益を回復できる見通しが立たない、となった場合には、その穴埋めは、今度は政府の側から、私たち国民が納める租税を充当して補填するよりほかにありません。

・余剰金が発生した場合、国庫に帰納するのは”世界の常識”。

債務超過に陥った場合、税金を財源として補填をするよりほかにない。

キーワードとしてはこんな所でしょうか。

 

ピックアップするだけで薄笑いが止まりません。

”世界の常識”を持ち出すのであれば、この問題を”世界基準”で解決する超絶簡単な方法があります。それは、

「”日本独自”の”60年償還ルール”を撤廃すれば良い。」

それだけです。

国の一般会計に国債の償還費を含めている国なんて先進国では日本だけです。

 

著者曰く、

日銀が例えば短期の政策金利を1.2%に引き上げれば逆ざやの幅は1%ポイントになりますが、この逆ざやの幅が1ポイント開くごとに、年度当たり5兆円のコストが日銀にのしかかることになるのです。

だそうです。

それではこちらの令和4年度一般会計のグラフをご覧ください。

 

令和4年度一般会計補正後予算 歳出・歳入の構成

財政に関する資料 : 財務省

 

「この膨大な社会保障費どうにかならんの…?」というツッコミはさて置き、

債務償還費は利払費の倍の16兆円が計上されております。

5兆円…?  

ご心配なく。

どこの国もやっていない60年償還ルールを止めてしまえば余裕で払えます。やったねたえちゃん♪

 

大体、「穴埋め」も何も、上のグラフの通り債務超過にならずとも利払費は毎年「私たち国民が納める租税を充当して補填」されています。

ひょっとして「新たな増税が必要」って事が言いたかったのでしょうか?もはやよく分かりません。

いずれにせよ、60年償還ルールを止めてしまえば済む事に変わりありません。

 

 

さて、

この「60年償還ルール」ですが、Wikipediaに項目がなかったので「何かないかなぁ」と漁っていたら、飯田泰之氏が自身のnoteで”無料で”解説なさっていました。

飯田せんせぇありがとう♪

note.com

60年ルールの継続は,やっぱり,財政状況を悪く見せかけるための小手先のツールに過ぎないのではないかという疑いはさらに強まります.財務省自身も十分理解している無意味ルールなのですから,別になくなってもいいんじゃないかと思うけどなぁ.

全く以て仰る通りだと思います。

 

日銀が保有している国債の扱いを巡っては他にも”ガラパゴス化した”謎ルールが存在しますが、それは機会があればいずれ。

 

 

と”不安を煽るだけの簡単なお仕事”の一例を挙げてみましたが、

それでも一点だけメリットがあります。

それは、

この文章は現代新書の宣伝を兼ねたコラムの様ですが、これを読めばこの本が貴重なお金と時間を割くに値しないゴミである事が事前に分かるという、とても有益な情報を提供してくれているという事です。

こんな些末な話を丸一冊分出来るのはある意味才能かも知れませんね。

財務省にとっては有難い内容の本かも知れませんが、我々消費者にとって物事の本質に触れていない解説本に価値はないのですよ。

 

因みに、この60年償還ルールの撤廃の話でも必ず湧くんですよ、

「そんな事をすればハイパーインフレガー」って言う輩が…(笑)

そんな事を言う学者様()を見たら是非名前を覚えておいてあげて下さい。

それだけで駄文を読む&買うリスクを幾分避けられます。

 

でわでわっ。